「いやー、すまないね、セバスチャン。これで今年のクリスマスは、ユーゼフ氏によって市が破壊されることはなさそうだよ。あの人がフランク○ルトから居なくなるまでのクリスマスは、毎年大変だったからね…。」
「いえいえ、良いんですよ。」
聖なる日ということで、闇属性のユーゼフにとってクリスマスは最悪な日であるらしい。ユーゼフがカタツムリを食べに行くまで、フランク○ルトの聖夜は毎年恒例で潰されていた。地震、雷、台風、吹雪、怪獣などである。
今回は、去年就任した市長が市の年間予算の一割をかけて、ユーゼフ暴走阻止を依頼してきたのだ。
フランク○ルトは大金持ちの市。当然、予算ももの凄く高い。ということは、支払いも一割ならば当然うん千ドルである。しかも、来年の見込みまである。更には、ユーゼフ・市長に対し借りまで作れる。
犠牲はBのみである。セバスチャンが断るはずがなかった。
Bにかけたエステ代・服代は、経費でちゃんと落としてある。残りは全部、セバスチャンの隠し口座に入金だ。
「では、良い聖夜を。」
「そうだな。いや、本当、助かったよ。来年も宜しく頼む。」
心でにんまり笑いつつ市長を見送ったセバスチャンは、鬼かもしれなかった。
初掲載 2005年12月15日