この時代、女が下穿きを穿く習慣はなかった。襦袢を一枚剥いでしまえば、秘部を守るものは何もない。
三成は押し倒した政宗の着物を巻くりあげると、膝を立たせる形で高々と股を上向かせた。冷たい空気が雪のように白い内股を撫ぜ、政宗は慌てて膝を閉じ、三成の視線から逃げようとした。
だが、男女の力の差は皮肉なことに顕著だった。
「政宗、止めろ。俺も極力痛くしてやりたくない。」
呆れたように呟いた三成は政宗の両手首を頭上でまとめ上げ、いともあっさりと縫いとめてしまった。そして政宗の膝を割り開かせ、秘部を暴いた。その格好に、政宗の眦に羞恥心ゆえの朱色が走った。だが、三成は意に介さず、その隙に手際良く政宗の手首を腰紐で縛り、牢の柱に縛り付けた。そして自由になった手で膝を床に押し付け、政宗の下部を探り、目的である花弁に中指を差し込んだ。
突然の暴挙に、政宗は肩を揺らした。ひやりとした指先は政宗の中を暴き、時折擦りあげては濡らそうとした。だが、初めてである政宗にはそれで快楽を得ることはできなかった。それは痛くも何ともなかったが、ただ、政宗は嫌で指を抜こうと腰を揺らした。
いっこう濡れない事実に業を煮やしたのか、それとも、それは予想の範疇だったのか。三成は政宗の袂から手を差し込むと、政宗の桜色の乳首を摘んだ。捏ねくり回すようにして弄られると、痛みともつかない何らかの快感が政宗の背筋を駆け上った。びくりと背を振るわせた政宗に三成は安心したのか、再び花弁も弄り始めた。そこは次第に熱を持ち始め、蜜で潤いを帯びてきていた。
そのうち、差し込まれる指は二本三本と増やされ、ねとりと糸を引き、三成の指に絡みつくのが政宗にもわかってしまった。強く揉みしだかれる政宗の白い乳房にも赤い指の跡がついたが、痛みよりも快楽が勝った。次第に、政宗の秘部はしとどに濡れそぼっていた。
耐えることのできない圧倒的なまでの羞恥心と無力感に、政宗は顔を紅潮させ、しゃくりあげ始めた。真珠のような涙がこぼれるたび、三成は唇を寄せ、それを舐め取った。
その合間に、三成は下穿きから己の怒張した雄を取り出すと、先端を花弁に無理矢理押し込んだ。圧迫感と激痛に政宗は大きく喘ぎを洩らし、むずがるように頭を振った。しかし三成は身体を進め、とうとう全て挿れてしまった。
三成は身の下で破瓜の痛みに泣きじゃくる政宗の髪を撫ぜると、困ったように溜め息を吐いた。政宗を自分のものにしたことで少々、三成の中にも余裕が生まれた。そうして、同時に、強引すぎたかと反省心ももたげ出した。三成は政宗の手首の紐を解き、起き上がると政宗を己の方へ抱き寄せ、座位になった。
「悪かった。政宗が欲しいあまり、強引だった。」
政宗は肩を震わせ泣きじゃくるばかりで、三成の謝罪に答えなかった。三成は困って、しばしの思案の末、政宗の唇に宥めるような軽い口付けをした。啄ばむように数度繰り返し、涙で濡れる頬を舐め上げ、眦を吸うと、政宗は三成にしがみついてきた。
そんな政宗の細腰に三成は腕を強く回すと、政宗の唇に浅く口付けた。それは政宗の無自覚の了解を経て、次第に深いものへ変わった。三成は割り開いた政宗の歯列をなぞり、口蓋を舐めあげ、舌を絡めた。溢れ出した唾液が顎を伝って、糸を引きながら滴り落ちた。政宗は息苦しさの中、初めての深い口吸いに耐えた。己の中で脈動する三成が妙に繊細に感じ取れた。
時折背筋に走る快感に、とうとう堪えきれず政宗が腰を揺らしたのを契機に、三成は政宗を揺さぶり始めた。
三成は政宗の尻を掴んで上下に揺すりつつ、自らも腰を強く打ちつけた。それにつられて、襲い来る快感に背を丸め、三成の首に両腕を巻きつけた政宗の白い乳房が揺れた。自らの立てる淫らな水音に、政宗は擦られて痛いばかりだったが、羞恥ゆえの快楽を覚えた。
数度、三成は政宗の中で果てた。そのたびに政宗は胎に熱い飛沫を感じて、意識を軽く遠退かせた。
初掲載 2007年5月6日