「山犬、ちゃんと感じてるか?」
「貴様なんぞに、わしが、感じるかっ。」
せめてものプライドから放った政宗の言葉に、政宗を組み敷いていた兼続は顔を顰めた。
「そんなことを言っていても、山犬。中が食い千切りそうなほど絡み付いてくるぞ。」
「…っ、知るか!」
「だが、」
「黙れ馬鹿めっ!」
まだ何か言おうとする兼続を張り倒したい思いに駆られながら、政宗は何故こんなデリカシーのない男に自分は抱かれているのだろうと後悔した。
何かを言おうとして躊躇うさまを見せたものの断念したのか、兼続が政宗を強く突く。衝撃に、政宗はのけぞりそうになるのを、敷布団を握り締め必死に堪えた。力の込めすぎで指先は白く染まっていた。兼続は更に容赦なく政宗の中を掻き回した。どちらのものとも知れぬ体液が発する濡れた音が室内に響いた。腰を引くたび、言葉とは裏腹に、絡みつく内壁が物欲しそうに兼続自身を引き止めた。
兼続は体の下で寄せる快感に打ち震える政宗の白い背中を見下ろし、もう一度呟いた。
「やはり感じているではないか。気持ち良いのだろう。」
「黙れ!」
初掲載 2007年8月26日