God:06「目を閉じて、ほら。そこには僕らの逃げ込んだ、」


 瞳を閉ざすと目の前に広がるのは何時の日か太陽の下で見た血潮の赤ではなく、ただ只管暗い闇の漆黒だった。
 幼い頃は暗闇に怯えてばかりで、ベッドに潜りウトウトしている間に、母に灯りを消されては泣いて困らせた覚えがあった。
 けれど、私は今、その闇の中で息衝いている。
 決してその中でないと生きていけないということもなく、私は自らの意志で暗いばかりの日陰を選んで細々と営みを続けている。
 陽光が怖かった。
 神の瞳に私たちの罪が、晒されてしまうことが怖かった。











初掲載 2006年12月18日
Rachaelさま