第八話


 久秀が泰然と姿を消した後、三成は眦を吊り上げ惨状を見つめた。一人の恣意がもたらした悪夢を前に、誰も口を開こうとしなかった。横殴りの雪のせいで、視界を賑やかしていた凄惨な赤も白く塗り潰され、なりを潜め始めていた。鼻を指す硝煙の残り香と、いつきのしゃくりあげる嗚咽、雪煙だけが存在を主張していた。
 憔悴にも似た空気が漂う中、政宗が身体を起こした。三成は眉をひそめた。刀傷と異なる銃創によるものか、ぱっと見わからぬものの、政宗の足は乱れていた。押し殺そうとする努力も虚しく、息は荒かった。加えて、失血も酷かった。しかし、政宗は差し出された小十郎の腕を拒み、孫市の視線を真っ向から受け止めた。
 高すぎる矜持から、小十郎の介添えを甘えと捉え、良しとしない政宗を、孫市は興味深そうに観察した。孫市は片意地を張る政宗を愚かと思う反面、好ましくも感じているようだった。対する政宗のそれもどこか面白がる眼差しだった。曲がりなりにも傭兵を生業とする者が、青臭い信念のため、雇い主に反旗を翻した事実が政宗を興じさせたらしかった。政宗は唇を歪めた。
 「音に名高い雑賀衆…ってことは、アンタが孫市か。別嬪さんじゃねえか。」
 口笛を吹く政宗の冷やかしを、孫市は一蹴した。
 「独眼竜、無駄口は止してもらおう。我らは甘言を好かない。」
 「甘言?NO!事実を言ったまでさ。まあ、アンタの気に触ったなら謝る。」
 孫市は政宗の真意を推し計るように目を眇めた。しかし、これこそ無駄口だと考えたのだろう。孫市は言及を控えると、政宗を見据えた。
 「それで、どうする?これより我ら雑賀が伊達の味方となることは、先に述べたとおりだ。友軍と捉えてくれて構わない。」
 孫市の言葉に、政宗は表情を引き締めた。自軍が精彩に欠くのに対し、松永軍は勇壮で、数でも勝っていた。その上、軍を率いる久秀は一切の犠牲を躊躇わないと来ている。先が危ぶまれる今、政宗は早急に軍を立て直す必要があった。
 雑賀と部下の眼差しを一身に受けた政宗は、臆する風もなく努めて快活に言った。
 「ヤツの狙いはこの俺だ。俺が奴を引きつける…アンタたちは隙をつけ。」
 俄かに場は騒然とした。政宗の負傷を考慮すれば、無謀としか言いようのない発言だった。
 しかし、この発言を戦略と矜持の観点から高く評価したらしい雑賀衆は、感心した様子で政宗を眺めた。最たるは、高すぎる矜持ゆえに松永を敵に回した孫市だった。負傷した政宗が前線に繰り出せば、恰好の的になるだろう。それは、久秀を襲撃する絶好の機会となるに違いない。孫市の眼には穏やかな賛美が湛えられていた。
 一方、政宗の腹心である小十郎は、怪我を押して出撃しようとする国主の暴挙に言葉を失った。小十郎にしてみれば、政宗の命は何にもまして代え難く尊いものだった。いかに効率的であるとはいえ、かような下策で失われるわけにはいかなかった。
 沈黙を破ったのは三成だった。
 「伊達政宗…貴様の誘引を私は認可しない。」
 静かでいながら、噴火直前の火山を思わせる不穏な声調だった。三成は掻き抱いていたいつきを政宗の胸に押し付けると、怒りもあらわにねめつけた。
 「秀吉様を犠牲に存えた命を粗略にするな、貴様は大人しく雌伏していろ!醜穢な輩の誅戮程度、私が出れば十分だッ!」
 三成は言い捨てるなり、政宗の無分別な戦略が心底気にくわぬ様子で、肩をそびやかして去っていった。
 そんな三成の背を、孫市は不思議そうに見送った。伊達に傭兵として名を馳せているわけではない。雑賀の頭領として、孫市は戦の事情に精通していた。無論、昨今で一番の大戦だった関ヶ原も例外ではない。孫市は、三成が亡き覇王を神同然に崇め、その命を奪った政宗を憎悪していた事実を耳にしていた。それは、彼の地で第六天魔王の降臨に立ち会ったことで変化したらしいが、かといって伊達に肩入れするほどではなく、世間では、かつて世間を騒がせた凶王が世捨て人となる日も近いだろうという噂がまことしやかに流れていた。実際、豊臣以外に生きる理由を見出せなかった三成だ。孫市はこの噂を事実として受け止めていた。
 だが、三成が政宗に心割いているのは日の目を見るより明らかだった。気にかける、どころの話ではない。確実に、三成は政宗の安否を気遣っていた。
 三成の言動は、政宗にとっても驚天動地だったのだろう。呆気に取られ、戸惑いを見せる政宗を見て、孫市の心は怪しくさざめいた。二人には何かある。滅多に外れることのない女の勘だった。
 渋面の小十郎が続いた。
 「…石田の言うとおりです。あなたは決して死んではならぬのです。傷を負い、大地をその血で濡らそうとも!」
 小十郎は遠ざかっていく三成を見やりながら、苦々しく吐き捨てた。小十郎は政宗の浅はかな決意事態よりも、三成に先を越されたことが腹立たしいようだった。孫市は実に人間味のある小十郎の嫉妬に小さく笑みをこぼした。それまで孫市は小十郎を理性的で厳しく統制された詰らない大人の一人だと思っていたのだが、嬉しい誤算だった。孫市は三成の背へ一瞥投げかけ、笑声を上げた。
 「実の所、荒武者こそが最も対処に困る相手だな。」
 視線が集中したのを確認してから、高慢な仕草で孫市はつんと顎を逸らした。
 「責任の一端は我らにもある。独眼竜の治療には、私が当たろう。」
 孫市の提案を受けて、小十郎が血相を変えた。小十郎には政宗の救護に際して度外視できない問題があり、治療と問題のどちらを取るべきか、懊悩しているようだった。考えあぐねるように、政宗が口火を切った。
 「…アンタは、俺とアンタ抜きでこいつらに戦しろっていうのか?」
 「あくまで四半刻ほどの話だ。痛みは残るだろうが、適切に処置を施せば貴様も普通に動けるはずだ。異論はあるまい?」
 孫市の提言に、政宗は鷹揚に頷いてみせた。元より、選択出来る立場でもなかった。政宗の白い額には薄く脂汗が滲んでいた。


 政宗の応急処置は民家で行われることになった。孫市は鎧を取り除け、血でぐっしょりと濡れて黒く変色している衣越しに患部を晒させた。孫市は驚きに目を見張った。筋肉を纏っているとはいえ、丸みを帯びた肩の形状は、男のそれとは異なっていた。
 独眼竜は、男であるはずだ。男であるはず、だった。
 孫市は、小十郎があれほどまでに政宗の治療を渋った理由がようやく腑に落ちた。下剋上が流行り、孫市や鶴姫などの女性が台頭してきたとはいえ、世は未だ男性本意の社会である。小十郎は男性社会を担うものとして、政宗の性を隠しておきたかったのだ。
 孫市に言わせれば、伊達の決断は、まったく愚かとしか言いようがなかった。真なる実力とは、たかが性如きに左右されるようなものではない。それが政宗のように、見るものを惹きつけて止まない鮮烈な魅力の持ち主であれば尚更だ。孫市の例を挙げるまでもない。小十郎は誰よりもその事実を知悉しているはずだった。闇空を照らす一条の青雷は、小十郎の目を引き、魅了したはずなのだから、知らぬはずがなかった。
 しかし、孫市は無言で政宗の肌へ指を滑らせた。孫市が崇拝する雑賀衆の先代は、傭兵が仕事をするうえで知り得た雇用主の秘密を厳守する重要性を説いていた。伊達とは正式な契約を交わしたわけではないが、共闘を宣言した今、雑賀の立場は似たようなものだ。伊達の秘密は秘密のまま留めておくべきであったし、部外者の孫市が口を出す問題でもなかった。
 造反した部下が放った銃弾は、腕を貫いていた。農民に用いられた弾痕のように細工されてもいないようだ。
 「痛むか?」
 孫市の愚問を、政宗は頭を振って否定した。今や、政宗の額にはびっしり脂汗が浮かんでいた。痛まぬはずがないだろうに、強がる政宗が孫市はおかしかった。
 「フフ、そうか、ならば良い。」
 肩に被弾した二発目を摘出し、縫合すれば、大事には至らないだろう。先に公言した通り、痛むだろうが、戦場に出る分には支障はないはずだ。孫市は心中安堵して、政宗から手を離した。先代は誰よりも真実を重んじていた。だから、孫市も嘘は嫌いだった。
 「今、水を用意させている。銃弾を摘出し、湯で清めた布を当てれば、不自由なく動けるはずだ。」
 「雑賀衆の頭領が、まるで軍医みたいなことを言うんだな。」
 政宗の言い草に、孫市はくぐもった笑い声を上げた。
 「不思議がることはない、我らの専門は戦だ。」
 治療に火が必要なのは明白だった。粗末な囲炉裏を整えながら返す孫市へ、政宗が問いかけた。
 「あいつらは?」
 農民を塵芥と等しく捉える武家には珍しく、心からその安否を気遣う声調だった。孫市は眉根を寄せた。快い返事が出来ぬことが甚だ残念だった。孫市は溜め息まじりに答えた。
 「…残念だが、我らでは手の施しようがない。」
 久秀の農民に対する仕打ちは、残酷の一言だった。弾丸に込められていたのは、不死香炉を改悪した、極めて致死性の高い毒だった。戦場に立つ必然性から医療にも携わるとはいえ、雑賀衆は医者でも、忍びでもない。解毒剤の製作には、専門の医療従事者あるいはあらゆる既出の毒に精通した忍びの知識が必要だった。
 そうなれば、もはや、雑賀に出来ることなど一つしかなかった。孫市が部下たちに命じたことは、被弾した毒に侵され苦しむ農民の安楽死だった。これは元同胞の咎だ。伊達に担わせるわけにはいかなかった。雑賀が負うべき責だった。鼻水を垂らして死を拒む嘆願や、安らかな終焉を求める声は、戦場で腐るほど目にし、慣れ親しんだものとはいえ、孫市の心を痛めた。自分が判断を誤ったのだ、全て自分のせいだと亡き同胞に謝罪し続けるいつきの慟哭が、今もなお孫市の耳にはこびりついていた。
 孫市の一言で、政宗は全てを察したのだろう。顔を憂いで曇らせながら、重苦しく頷いてみせた。沈黙が落ちた。孫市は静けさを味わうように囲炉裏に火口を近づけ、火を灯した。現実を重く受け止め、今後このような事態を生み出さぬよう努めることこそが、孫市の償いだった。
 そのとき、家の前に気配を感じ、孫市は後背を振り返った。丁度、戸が開かれるところだった。そこには顔を青白く染め、鼻先と目元を真っ赤に晴らしているいつきが立っていた。いつきは視線を落としてから、意を決したように面を上げた。
 「あ、あの、おらにできることはないだか?」
 粗末な衣の端を握り締めた手は、力が込められすぎるあまり、白くなっていた。孫市は憐憫の情を催したが一切表面には出さず、極めて感情を削いだ声で応じた。
 「独眼竜の治療には、大量の湯と煮沸消毒した布が必要になる。やり方は部下が知っているはずだ。やってくれるか?」
 大勢の同士を亡くしたのだ。全てを己の咎と捉えるいつきは、同情を良しとしないだろう。だが、不慣れな仕事に忙殺され、思い悩む時間すらない状況はいつきにとって悪いことではないはずだ。孫市の意図に気づかぬまま、いつきが頷いた。
 「わ、わかっただ。」
 慌ただしく駆けていくいつきを見送ってから、孫市は政宗を振り仰いだ。外では吹雪が続いていたが、屋内は次第に暖かくなりつつあった。この分ならば、怪我人を凍えさせることもないだろう。
 「間もなく湯が届く。その前に着物を切除して、肌を晒しておかねばな。」
 「…やっぱ、見せなきゃ駄目か。」
 「当然だ。」
 初めて煮え切らない態度を示す政宗に、孫市は眉をひそめた。孫市には政宗の意向が理解出来なかった。政宗は女である秘密を隠し通したいわけではない。まったく漏洩するつもりがなければ、右腕の小十郎が立ち会い、厳重な監視の下、治療は執り行われるはずだ。先のようにいつきが訪れる可能性もなく、孫市にも固く口止めがなされてしかるべきだった。
 孫市はしばしの思案の末、口を開いた。脳裏を過ぎったのは、独眼竜にまつわる芳しくない逸話だった。部外者が口にすべき事柄ではないのかもしれない。だが、雑賀衆の長として、孫市は黙っていられなかった。
 「独眼竜にとって、痘痕や刀傷は恥か?」
 「No!痘瘡がなきゃ、小十郎も得られなかったし、今、俺がこうして立つこともないだろ。それに、戦場でついた傷は誇りだ。だが…、」
 「だが、何だというのだ。一度言った言葉を否定するのか?独眼竜、それは実に女々しいことだ。」
 孫市の切言に、意表を突かれた政宗が甲高い声を上げた。虚勢を忘れた年相応の反応だった。孫市は右脇の嚢から三寸ほどの小刀を出しつつ、しかめ面の裏でくすりと笑った。
 「め、女々しい?」
 「そうだ。我らが思うに、女々しいとは男の為にある言葉だぞ。非を認めず、他に責をなすりつけ、保身の為に言い訳ばかりするような男の…。」
 孫市の責める半眼に、政宗が苦笑をこぼして頭を掻いた。
 「Ah…、耳に痛い話だな。」
 「私は男と女の生きる世界を知っているが、女の方がよほど男らしいと思う時は多いな。」
 「ha!アンタを見ていたらそれも分かるな。」
 暗に女の道を示唆されても意に介した様子のない政宗に、孫市の心は怪しくさざめいた。独眼竜の天下への固執は有名な話だった。そして一見した限り、あの男性優位の権化である小十郎に育てられた政宗にとって、天下統一とは、男でなければ成し遂げられぬものとして認識されているに違いなかった。しかし、今の政宗は躍起になって秘密にしがみついていない。無論、男として生きる腹積もりではあるのだろう。だが、噂に伝え聞いていた様子とは、何かが違った。三成の対応もあった。やはり、二人の間には何かあるのだ。滅多に外れることのない女の勘だった。
 孫市は肌へ張り付く青衣へ薄い刃を立てながら、政宗に申し渡した。
 「独眼竜、己の決意を否定するな。そのような生き方を、我らは喜んで軽蔑しよう。」
 抵抗はなかった。孫市は無言で刃を走らせ続けた。やがて暴かれた肌は、斑に赤く汚れてこそいたが、新雪を思わせる白さを誇っていた。女が羨む肌だ。重厚な鎧で覆っているためだろう。痘痕や刀傷が淡く散っているものの、気になるほどではなかった。
 碌な手段も講じず、晒されるがままになっている己の日に焼けた肌を思い返した孫市は、嘆息を呑みこみ、切り落とした袖口を囲炉裏へ投げ入れた。本来であればやんごとなき姫君が戦場に立たねばならぬ現実が、平民出の孫市には悲しくもありいとわしくもあり、同時に、同じ女として嬉しくもあった。
 孫市は嚢から取り出した鑷子を火に炙って消毒しながら、政宗へ話しかけた。
 「独眼竜。」
 「Ah…何だ?」
 「年頃の娘として傷痕を気にしているのであれば、それはそれで愛らしいものだぞ。」
 投げかけられた言葉に、政宗の耳が僅かに赤らんだ。政宗は羞恥と憤怒のどちらに傾くべきか判然とせぬまま、孫市を睨みつけた。
 「アンタ、俺をからかってんのか?」
 「いいや。私も女だからな、傷痕は気になる。だが、傷痕の一つ一つが、我らが戦場で生き抜ぬいた証、歴戦の誇りだ。当然、悔いはない。」
 孫市は過去を回想し、微笑を浮かべた。
 現在もそうだが、下剋上とはいえ世間は孫市のような孤児に冷たかった。毛唐人との混血であれば、尚更だった。冷遇を強いられた孫市は、いつか世に華々しく打って出ることを夢見ながら、年嵩の男らと徒党を組み、夜盗の真似事をして生計を立てていた。女であることがばれれば花街に売り飛ばされることは必然であったため、孫市は努めて男らしく振る舞った。あえて、仲間の誰もが怖気づくような無謀な真似にも手を染めた。
 いつしか、孫市は遍く恐れられるようになっていた。夜盗退治の討伐隊が編成されるのは時間の問題だった。まだ十三にも満たなかった孫市では、組織だった侍に太刀打ち出来なかった。
 そうして大怪我を負い、仲間にも見捨てられた孫市を拾い上げたのが先代の雑賀孫市だ。孫市は先代に恩義があった。先代が言えば、黒も白となった。孫市にとって先代が全てだった。だから、先代が女である事実を受け入れろと命じれば、孫市に否やはなかった。孫市にとって、先代の言葉は全てに勝った。
 「独眼竜…貴様と私の違いは、女である自分を認めたか否かの一点に過ぎないぞ。」
 孫市の主張に、政宗が唇を開きかけた。しかし、慌ただしく駆けつけたいつきによって、発言は聴けずじまいだった。
 いつきは孫市に湯の入った大鍋と消毒した大量の布を手渡すと、沈黙を守る政宗へ後ろめたそうな一瞥を投げかけた。いつきの目には強い後悔の念が浮かんでいた。だが、いつきは固く口を引き結ぶと、断固とした足取りで逃げ去っていった。いつきはまだ、仲間を喪失する原因となった久秀の言が全て虚言であったとは信じたくないのだ。いつきにとっては、政宗は、わるいおさむらいでなければならなかった。
 孫市は湯水で政宗の肌を清めながら、誰にともなくぽつりと呟いた。
 「一度踏み出したら引き返せない、投げ出せない、苦しむと分かっていたのに進むことしかできなくなった。実に女々しくて…悲しいからすだ。」
 政宗の柔肌に鑷子がめり込んだ。政宗の口から押し殺された喘ぎがこぼれ落ち、空気が凍りついた。孫市は流れる動作で銃弾を摘出すると、手持ちの裁縫道具を消毒し、傷を縫合した。処置自体は、ものの十分とかからなかった。
 「もう大丈夫だ。あとは戦後、安静にしておくと良い。」
 血に紅く汚れた手を洗いながら言う孫市に、政宗は苦痛に強張った顔で問いかけた。
 「…アンタは何を求めて生きている?」
 迷いはなかった。孫市にとって先代の発言こそが真実、迷うはずがなかった。孫市は背を向けたまま、政宗に答えた。
 「何にも恥じぬ生き様を。」